BPQC

15 FEB 2017

本質に向かう時代の中で“スタンダード”に立ち返る。

2000年に誕生し、2014年にクリエイティブディレクター・ムラカミカイエを迎え、
リブランディングを図る三越伊勢丹のプライベートブランドBPQC。
“知的な生活者のためのスタンダード”をブランドコンセプトにするBPQCについて、
ムラカミ(以下、M)と担当者河村玲(以下、K)が語る。

Edited by fashion-headline 編集部

“スタンダード”のバランスを見直す

M:BPQCは“知的な生活者のためのコンフォートベーシック”をブランドコンセプトに、新たなスタンダードの形を追求しています。デジタルデバイスの隆盛によって、現代の求められる生活様式は、旧来いわれてきたスタンダードライフから大きく変化しました。また、満たされるための価値も「価格的価値」、「機能的価値」、「感性価値」と多様に存在しています。いよいよ“スタンダード”の定義を時代に合わせ見直さなくてはいけないタイミングがきています。人々の趣味嗜好性が多様化していく中、BPQCでは「これでいい」ではなく「これがいい」と言われるものを提案していきたいと考えています。

K:現代は「生き方を追求していく時代」なんだと日々感じています。どこで生活するかも大切ですが、どういうものに囲まれて、どんな考え方で暮らすかということが大事な時代。だからこそ、BPQCでは“本質”をしっかりと提案していきたい。BPQCがあることで、その人の生活の中の基軸となる部分を引き出していけたらと思います。

コンフォート=快適であることを考える

M:これまでのブランドでは、年代でターゲットを区切ることが当たり前に行われてきました。でも、私たちはより大きな視点でBPQCを捉え、その使命を明確にしていくためにも、ものづくりにおいて「コンフォート」という軸を持つことにしました。言い換えれば「快適さ」という世代や国境を超えて評価される機能的、感性的な価値を内在することで、多くの人に受け入れてもらえるブランドになり得る。そうなると、すでに世の中でいいとされている天然素材も、テクノロジーの力で開発された化学繊維の優れた面も、私たちが提案したい生活感に合わせ、偏見もなく捉え取り込んでいくことが必要とされてきます。ものが溢れ、時代の転換期であるいまだからこそ、私たちはしっかりとしたVISIONと価値観をもって、BPQCのある暮らしを提案していきたい。毎日使っていて、“なんだか気持ちがいいな”って思える、日常がグレードアップしたような感覚をBPQCでは機能、価格面でのコンフォートも表現していきたいですね。

BPQCのものづくり

M:BPQCのものづくりをする中で、「きちんと感」という言葉がよく出てきます。百貨店派生のプライベートブランドだからこその「山の手感覚」は、当たり前にしっかり受け継いでいきたい。楽でありたい、快適でありたいという願いが根底にある中で、BPQCでは「きちんと感」と「快適さ」という一見相反した要素をどういった形で両立させるかをいつも考えています。
17年春夏シーズンのアイテムに、海外のメゾンブランドからも高く評価されている国内の素材メーカーさんとの取組で生まれたカットソーのシリーズがあります。川上に上ってプロダクトを開発していくことで、上質な素材を使ったシンプルなアイテムを、適切な価格で提案出来るようになりました。家の中でのルームウェアとしても、ワンマイルウェアとしても両立できるような、着心地も抜群によく、きちんと感も備えたBPQCらしいアイテムになっています。

特別な日だけじゃなく、普通の今日が楽しくなる

K:17年春夏シーズンからBPQCでは、日常生活に欠かせない、ハンドソープやモイスチャークリームなどの商品展開をはじめます。その香りをつくるにあたっても、フランスの調香師に調合してもらった3つの香りを使用しています。

M:BPQCらしさを求めていくと使用感のよさはもちろん、当たり前に香りにもこだわりたい。そんな思いの積み重ねで、生活のグレードをあげていくことがBPQCの使命だと感じています。しかも、すごく簡単で気持ちよく生活品質がぐっと上がっていくシーンをイメージしています。

これからお皿などテーブルウェアを作っていこうと思っています。お客さまが来た時に、いろんな器を用意して華やかにテーブルセットをしてもてなすのもいいと思います。でも例えば日常的に自分で料理を作って、最終的に片付けまでしなくちゃいけないとなった場合、やっぱりワンプレートの方が楽なんじゃないかと思うんです。しかもそれが素っ気ないものではなく盛り付けた時にちょっと華やかに見えるような質感をもっていたらどうでしょう?BPQCの役割は、特別な日に何かすることではなくて、普通の今日を当たり前に楽しく快適にしていくこと。日常の中にあるニーズを引き出して、それをどうやってクリエイティブに解決していくのか。きっと、こういった思考の連続がBPQCのイメージに繋がるんだと思います。

BPQCが思い描く「BPQCのある暮らし」

M:震災以降、特に感じていることなのですが、モノを所有することに対する考えが大きく変わった気がしています。所有欲は低迷して、暮らしはどんどんコンパクトになっていき、モノではなく経験価値に投資していこうという流れがあります。

BPQCがこれからすべきことは、モノを売るということではなくて、生活哲学に共感してもらうことだと思っています。21世紀に必要な生活哲学を一度見直すこと。そして、それを生産工程やデザインを見直すことで具現化していく。BPQCのモノだったら信頼出来る、そういうイメージが思い浮かぶブランドにしていきたい。当たり前だと思って見過ごしてきたことを、もう一回しっかりと考え、形にしていくことがBPQCの役割じゃないかと考えています。

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