BPQC

25 MAY 2017

BPQC暮らしの中にある、私のスタンダード

日々の暮らしの中で、“小さな幸せ”を発見することが楽しいというファッションデザイナーの
鳥居なぎささん。シンプルで美しく、タイムレスなデザインを手がける彼女に、
モノ選びや服作り、毎日の生活について聞いた。

PHOTOGRAPHS:AKIKO BABA
SPECIAL THANKS:MONTOAK

数年先の自分を見据えながら、
毎日の積み重ねを大切にする。

デザイン画のラフスケッチやファッション写真のスクラップ、その日見たこと、ふと思い出したメモ……。ファッションデザイナーの鳥居なぎささんがいつも持ち歩いているノートには、そんな心に留まったあれこれが詰まっている。いわば鳥居さんの頭の中を視覚化したようなアイデア帳だ。ふだんからファッションにまつわるショップ以外に映画館や美術館、ブックストアにもよく足を運ぶ。「まったく違うものに触れることで頭がクリアになって、新しい発想が浮かぶんです」日中動き回って得た情報は、その日のうちにノートにアウトプット。「集中しながらできる場所を見つけると、どこでもこの作業をしています。〈montoak〉のカフェはお気に入りの一つで、まさにこの席に座って黙々と書いていることが多いですね」

2年ほど前、13年間勤めたアパレルメーカーを退社し、独立した。組織から離れ、新たなステージで活動の場を広げるための決断だった。「より自分らしくやる」ことは、身の回りに置くモノ選びや服作りにも影響した。
「以前に比べて、良質でタイムレスなものを選ぶようになったと思います。翌年着ないとわかっているものは買わない。長く愛用できて、マイスタンダードになりうるものか、数年後もこのアイテムを着こなせるか、ちょっと先のことも含めて考えるようになりました」

ふだん身につけるもので特にこだわっているのは香りとジュエリー。選ぶ基準はともに「自分を心地よくさせてくれるもの」だ。
「頭が悶々としたときにはリフレッシュする香り、眠気を感じるときにはフローラル系と、その時のコンディションで使い分けています」
香水やハンドクリームなどデイリーに取り入れる一方で、ジュエリーは記念日や自分の誕生日とスペシャルな時にだけ買うと決めている。鳥居さんの耳元で揺れるSOPHIE BUHAIのピアスは去年の誕生日に購入した。
「彫刻アートからインスピレーションを受けているブランドで美しい曲線に惹かれました。実は重いので落ち着かないんです(笑)。でもこの耳にかかる重みが気持ちを上げてくれるものでもあります」
シンプルで存在感があり、使い方によって表情が変わるもの。リラックスできて、自分自身のアップデートに繋がるようなものが好きだという。

鳥居さんが手がけるBPQCのアイテムも、そんな考えのもとデザインされている。心身のリラックスにつながる着心地の良さと、着る人やシーンを選ばず1枚でいろいろな表情に変化するアイテムは、特に意識していることでもある。例えば今日身につけている2WAYのロングドレス。
「シチュエーションに応じて何通りにも着ることができて、シワにならないのが1番のポイントです。そしてウォッシャブル。ボタンを開けてさっと羽織ることもできるし、閉じてベルトで縛ればドレスにもなる。日常はもちろん、旅先でも使いやすい。1枚あればどんなシーンでも活躍してくれる、そんな万能アイテムです」
素材は、シワになりにくいのに光沢感と高級感を兼ね備えている。深くタックを入れて、ふんわりとボリュームがでるように後ろ姿の見え方にもこだわった。
「女性らしさと柔らかさが出るようなシルエットは、BPQCで追求していることのひとつですね」

ここ最近は、「毎日の生活を見直すこと」を大切にしている。日々の暮らしの中で、ささやかであれ“気がつく”ことが大事だと考える。以前、間接照明しかなかったダイニングに、思い立ってライトを取り入れてみた。すると、今までとは違う場所に光が当たり、部屋の印象ががらりと変わった。
「急に温かみのある空間になって。その効果で料理も楽しくなり、コレクションしている食器をどう合わせるかじっくり考えるようになりました。そこで飲むお酒もいつもより格別においしく感じられたんです」
ライトひとつでこんなに気持ちの変化があることに驚いた。だから今は、そんな”小さな幸せ”を発見することが楽しいという。ノートに書き留めることも一緒で、日々の積み重ねは、やがて大きな変化へと繋がると確信している。目の前にある気づきを大切にしながら、数年先を見据える鳥居さん。
「毎日感じることは本当に小さなことばかり。けれども、それを意識するかしないかでは、この先の生活はまったく違うなと思うんです」

鳥居なぎさ Nagisa Torii

国内アパレルメーカーでデザイナー、ディレクターとして13年間勤務した後に独立。
現在は、フリーランスのファッションデザイナーとして活動する。
2015年3月より<BPQC>のプロダクトデザイナーに就任。<BPQC>では、
得意とするベーシックでシンプルな要素と、モードさを兼ね備えたスタイルを提案している。
着用アイテム Dress: 2WAYジレドレス ¥17,280

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