BPQC

20 SEP 2017

BPQC暮らしの中にある、私のスタンダード

ファッション誌を中心とした、ライターでエディターの高橋志津奈さん。
誌面でたびたび紹介される、等身大のシンプルな着こなしにファンも多い。
“頑張らない”というファッションスタイルや、忙しい日々の中にある小さな幸せについて聞いた。

PHOTOGRAPHS:AKIKO BABA TEXT:MARIKO URAMOTO
SPECIAL THANKS: TOKYO GARDEN

“自然体でいること”で行き着いた、
自分らしいベーシックスタイル。

 「家にいると、つい家事をしたくなってなかなか集中できないので、よくここで原稿を書いているんです。友だちとばったり会うこともあって、そういう時は一緒にお茶したり、ランチをとったり、気分転換にもなりますね。暮らしの中で欠かせない場所です」と、お気に入りのカフェ&フラワーショップ〈TOKYO GARDEN〉を案内してくれた高橋志津奈さん。人気ファッション誌のライター兼エディターとして第一線で活躍し、プライベートでは幼稚園生、中学生、大学生の3人の子どもを育てる母でもある。「繁忙期は早朝から深夜まで家を空けることもあって、そういう日は私の親に子どもたちの世話をお願いしてなんとか乗り切っています。親の助けなしではここまで続けてこられませんでした。本当に頭が上がりません」

 28歳まで専業主婦だった高橋さんは、長女が小学校に入学するタイミングでライターになった。未経験からのスタートだったが、ずっと憧れていたファッション誌の世界だ。右も左もわからないまま、現場で仕事を覚えていく日々。一人で撮影の現場を任されたとき、大御所のスタイリストに意見が言えなくて悔しい思いをしたこともあった。また、原稿にたくさん修正が入って戻ってくることも少なくなかった。「落ち込んだり、弱音を吐きそうになったりしたこともあったけど、この仕事が好きだから頑張れました。そうやって必死にやっていたら、徐々に大きな特集に声をかけてもらえるようになって、それからずっと走り続けている感じです」 高橋さんの仕事内容は企画の考案から、モデルやスタッフのキャスティング、スタイリストやカメラマンとの打ち合わせ、撮影当日のケータリングの手配、撮影後は写真のセレクトから原稿の執筆まで多岐に渡る。その合間を縫って、企業との打ち合わせや、展示会にも足を運ばなければならない。今は雑誌の仕事以外にも、ファッションブランドのカタログディレクションやコラボ商品の企画など、さまざまな依頼がくるようになった。仕事の幅は広がっているが、今でもやはり撮影の現場にいるのが好きで、写真を選んでいる時間は疲れすら忘れるという。「これまでたくさんの撮影に立ち会ってきましたが、自分の想像を超えるドラマティックな写真が撮れることがあって、そういう時は自然と涙が出てくるんです。若い頃、雑誌を見て『素敵だなぁ』と思って憧れていた世界。今はそれを作る側にいる。そういうことを考えると感慨深いですね。さすがに現場で泣き出したときはカメラマンさんに驚かれましたけど(笑)」

 根っからの雑誌好き。大学生の頃から毎月4、5冊は必ず買い、お気に入りのページはスクラップしてファイルを作っていたという。今でも雑誌は発売日に買いに行くほど。撮影の合間に時間ができたら書店に行き、ファッション誌からインテリア雑誌、写真集まで気になる本を片っ端から読む。「仕事のためというよりは純粋に自分が読みたいから。好きなものを眺めていると心が満たされるんです。買い物は空いている時間にパッと行っちゃう。服を買うときに迷うことはあまりないですね。迷ったら、自分には必要ないんだと、きっぱり諦めます。でも、欲しいものがタンクトップ1枚だったとしても必ず試着はする。あとから後悔したくないから」 若い頃は流行りのファッションを追いかけて失敗したこともあった。今は本当に似合う服だけを少しずつアップデートしている。ファッションに携わる仕事をしていると毎シーズン、トレンドの服を何着も買うと思われがちだが、基本的にシンプルな服を必要な分だけ。ただし、大好きなデニムについては別だ。細部にまでこだわって選んだデニムは30本近く持っていて、それらをほぼ毎日着まわしている。色やシルエット、丈の違いでトレンド感が出るので、3年以上経ったものは手放すことが多い。トップスやアウターなどは長く使えるシンプルなものが基本。自分のスタイルの軸になるアイテムにトレンドを取り入れる。そこに合わせるのは、大きな仕事を成し遂げた時に少しずつ買い足しているという大切なアクセサリーだ。ファッション誌というめまぐるしく流行が変わる世界にいる高橋さんが行き着いたベーシックなスタイル。それが一番、自分らしくいられるのだという。

「おしゃれをするのにもう無理はしたくないんです。たくさん歩く日なのに一日中ヒールを履くと疲れるから、ぺたんこの靴でも素敵に見える服がいい。自然体でおしゃれにみえる服を突き詰めていったら、私は今のようなベーシックなスタイルに行き着いた。今日着ているジレは手持ちの服とも相性がよくて、一枚羽織るだけでこなれた感じになる。縦長のシルエットを作ってくれるからフラットのシューズと合わせてもスタイルよく見せてくれます。ロング丈だけどすごく軽いし、着心地がいいです。BPQCのように素材の質や仕立ての良さがしっかりしている服はいいですよね。生活になじむっていうコンセプトも自分にフィットしていて、頑張らなくても素敵に映ります」

 雑誌を眺めたり、服に触れている時間も欠かせないけれど、暮らしの中でもっとも自分らしくいられるのは「家族と一緒にいる時間」という高橋さん。「私は仕事が好きであれもこれもやりたいから、専業主婦には戻れそうにはないけど、まぁこういう人がいてもいいかなって(笑)」。子どもたちに寂しい思いをさせて申し訳ないなと思うこともあるというが、お弁当作りだけは絶対に自分でやろうと決めている。深夜に帰宅して2時に就寝、5時半に起きてお弁当を作らないといけない日もある。けれども空になったお弁当箱を出されて「ママのお弁当、友だちからも人気なんだよ」って言われると明日からもまた頑張れる。「休日に家族5人で一緒にテレビを見ている何気ない時間も幸せですね。特別なことをしなくても、みんなが健康で笑顔でいられたらそれでいいんです」

高橋志津奈 ライター・エディター

ファッションのこだわりやセンスあふれる日常を紹介した自身のスタイル本『VERYエディター高橋志津奈のSimple Casual』(ワニブックス)、『高橋志津奈のCoodinate Book』(ワニブックス)も人気。
着用アイテム
ウエストマーク ロングジレ
フェイクスエードセミショルダーM

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